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『お道具&竹竿マニア』なアングラーが、フライフィッシングをキーワードに、
道具や森羅万象、さまざまなモノ、コト、を『辛口&主観的』な視点で書いています。

2013/11/28

グラスロッドを作ることにした

試作ブランク、など・・・

グラス素材のフライロッドに対する興味は、あまりにも多様な竹竿へのパッションに長い間とってかわられていたのだけれど、このところの私的なニジマス釣りブームの中で、ひさしぶりにグラファイトロッドを使い始めたことから、グラス竿への好奇心も再燃してしまったようです。

そうしているうちに、自分にとってのベストなグラスロッドが欲しくなったのです。

これまでに使ったグラス素材のフライロッドの中で、手が覚えている感触として最も気持ちがよかった竿は、一般に評価の高いウインストンのストーカーや、ラスピーク、グラステックなど有名な一連の竿ではなく、なぜかウジニッキの217P4なのです。

メーカーはパラボリックアクション"Medium fast, true parabolic action"だと説明していますが、どうなんでしょ。

そもそもパラボリックアクションの概念自体がそれぞれのビルダーによって異なっているので、僕としては、バットまで曲がり込む竿で、負荷による竿の曲がりの頂点の移動が少ない竿、というふうに考えています。
とすると、パラボリックなロッドって、和弓のような曲がり方と反発特性を持つわけです。

だとすると、この竿はなんとなくパラボリックかなあ、という程度です。
構造的な特徴としては、いくつかの著名な竹竿のように、ブランクがグリップに向かって逆テーパーになってるところですね。

そんなことよりも、
フライロッドを使ってのキャスティングにおいて本質的に重要な要素は、

①竿を振ったときに、おつりが来るような気持ちの悪い振動などの違和感を感じずに、
②ごく自然にフライラインが気持ちよくターゲットに向かって真っ直ぐに進んでいき、
③ポイントの上で適度な速度でうまくターンオーバーしてくれて、
④フライを狙ってるピンポイントにスッと置いてくれる、
⑤そして、重すぎないこと、

だと思います。

それを、217P4が100%とはいえないまでも、十分に感じさせてくれたということですね。

それを実現してくれるなら、素材やアクションなんてどうでもいいわけで・・・
あとは、好みの問題だと思います。

ただ、この竿にも個人的な不満があります。
それは、グリップの形状や大きさ、といったディティールに関することと、
いまとなっては中途半端に感じられる、3ピースというセクション構造です。

グラスロッド≒3本継ぎ

が公式のように使われていますが、
そんなものどうでもいいんじゃないの、というところからスタートしました。

でも、ワンピースや2ピースは持ち運びに難があり、だったら4ピースにしようと。

ひな形としてのベンディングカーブは、217P4がベースになっています。
ただ、メーカーさんでは静的加重でのベンディングカーブ設計しかできませんからね。
実際にフライラインを振ったときにどうなるのか、は、未だ未知数です。

2013/11/07

いま話題の、『フラットグリップ』にしてみました。

上面と下面を平らたくなるように整形した、「フラットグリップ」 Ver. 1

最近、巷でなにかと話題になっているフラットグリップ。

好奇心の赴くままに、手持ちのフライロッドのなかで、最もしなやかで、グリップの中まで曲がり込む、この竿のグリップを削ってみました。
というのも、バットが硬い竿では、フラットグリップにすることによって生じるメリットのひとつが有効に生かせないと考えたからです。


今回、題材にしたのは、


KURAMOCHI RODS “stealing model  Eighty-0 TLN”

スペックは、8f 0in #2/3/4line 2pc、というフライロッドです。

この竿は、バット側にローモデラスグラファイトを使用して、セミパラボリックアクションに設計されている、ライン負荷の範囲が広いフライロッドです。
このような複数にわたるライン番手の指定は、ウォルトン・パウエルやラス・ピークのロッドを思い出させてくれます。

ティップ側に高反発の素材を用いるという素材の組み合わせ方は、バットの方により硬い素材を使うという一般的な釣竿の定石とは異なっているのですが、フライロッドという独特な使い方をされる竿のアクション設計としてコレはアリでしょうね。
ここでその理由を説明することは割愛させていただきますが、たとえば、ラス・ピークの初期のグラファイトロッドに、ティップがグラファイト、バットがグラスというコンビネーションで作られたフライロッドがあるのですが、違和感のないスムーズなキャストがその持ち味でした。


フラットグリップに整形して試し振りをした感触は、見た目から感じる違和感よりも、なかなか良好。
サムオントップでのグリップが、よりしっくりくるように感じました。

グリップに力を入れなくても、ロッドグリップが定位置にスッと馴染むような感じ、
とでもいえば、理解していただきやすいでしょうか。
親指が定位置に来て、平たいモノを押す形になるので、フライロッドを振るときの方向性にブレが無くなるというメリットがあるようです。
これが、フラットグリップ化したフライロッドの特性として、もっとも実感しやすいメリットです。

そして、フライラインを投げるときのトルクが大きくなったように感じます。
グリップがコンベンショナルな形だった以前と比較して、まったく同じフライラインを使用しても、ロッドが発生させるトルクが若干大きくなったように感じるのですね。

あえて『感じる』と書いているのは、機器に掛けて計測したわけではないので、数値としてトルクがどう変化しているのかが正確にはわからないからです。
この、同じブランクなのにトルクが大きくなることが、フラットグリップの持つ、もうひとつのメリットです。



その竿で釣った、最大のおさかな・・・

フラットグリップは、やりとりのときにも自然にサムオントップでブレることなく竿を扱えるので、
効果的なプレッシャーを掛けることができます。


3日間にわたって、この竿でニジマス釣りをしているうちに、やはり気になるところがでてきたので、

(古いペインのグリップを小さくしたような松茸型のグリップの上下をフラットに削っただけだったので、写真に見るように先端部のサイドが左右にエラが張ったような形になっていました)

より持ちやすく違和感のないスムーズな形になるように、グリップを再度削ってみました。


現状は、こんな形のグリップになっています。


横から見たところです



斜め上方から・・・



そして上から・・・

真上から見ると、トラディショナルなシガーグリップのようなかたちになっています。


僕は、サムオントップで、インデックスフィンガーをブランクにそって前にのばすようにグリップすることが多いので、
(※親指をグリップの真上に乗せて、人差し指をスッと前に出すように添える感じです。)
このかたちが、しっくりと手に馴染むようです。

ほんとうに使いやすいかどうかは実釣してみないとわからないですが、期待は大ですね。